2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

些細な言葉で、崩れてしまう。 頭でっかちの積み木細工みたいな、ココロを抱えて生きている。 それでも朝は来る。 逃げ場はないから、前に進むしかない。

あの日から旅を続けている気がする。 故郷の駅から飛び乗った特急が、浅間山を過ぎるとき。 もう21年も経ったのに、 雪の白さと噴煙のグレーを思い出す度、 私は旅をしてる途中だと。

マルガリータ、それから星あかりで光る砂浜。 あの夜、隣にはあなたがいて、 シリウスまでも一緒に歩いていけそうな気がした。 遠い時間の向こう側に消えてしまったけど、 私の心だけ独り、旅を続けてる。

メアリー・ブレア展に行った。 彼女が自分でよく言っていた言葉がいちばん残った。 (そう、シンデレラの原画よりもね) 「私は妻であり、母であり、プロのアーティストだった。」 私も、プロでありたい。

旅行には行かない。 それが私の選択肢、そして答え。 あの満天の星空の下、波打ち際の真夜中の会話が 私の永遠の『旅行』だから。

土と陽光と、水で立派に育ったバジルを オリーヴオイルでペーストに。 太陽の恵みを小分けして楽しむために。

作り上げるのは、時間も手間暇もかかる。 けれど些細な一言で崩壊するのは、 恋愛も家庭も同じだ。 唯一の救いは、時間が解決する可能性があること。

自然の造り上げたものに、酔う。 そのどこかうつろな寂しげな立ち姿とは反対の、 禍々しいまでに自己主張する色。

秋に枯れてゆく草花を見ているような、 恋のむくろ。

しばらくの間、マニキュアを塗らなかった。 つける気力もなかった。 改めて、ちょっとリッチなものを塗ってみた。 背筋が、伸びた。

家族に問題が起きて、不眠症になっても、 息子が家出して、身体が食べ物を受け付けなくなっても、 育てているバジルや青じそ、それに和綿は水を欲しがる。 もちろん黙って。こちらが気づくまで。

一生懸命になれる仕事があるのは良い。 たとえば食べられないほど辛いときでも、 仕事は待ってくれないから、毎日が回っていく。

次男3才、初めての「遊園地」。 乗り物運転、アイスクリーム、風船…、ピエロ。 こんなこと忘れちゃうんだろうけど、親にとっては一生の宝物。

シャネルは仕事を持つ女性に活動的な服と意識の徹底的な変革、つまり革命を起こした。 大きな感銘を受けたのだが、 仕事をしている私が躊躇無く買えたのは、シャネルのマニキュア1本だった。 彼女と自分の違いの象徴だ。

私を知っている(つもりの)人は、 わたしがここでどんな言葉を連ねているか知らない。 寂しいと同時に、この場所がないと困る。

よい意味でも悪い意味でも、仕事が忙しいのは救いだ。 私を必要とする人が、確実にいるから。 それが蜃気楼のような夢であったとしても、だ。

重陽の節句に、長男が不在だなんて。 少しばかり前の時代だったら、切腹かよくても僧籍入り。 自分の存在が与える影響を、解るのは大人にだって少ないけどさ。

カウンセリングを希望してみたら、 今はその時期ではない、とドクター。 心が元気を取り戻さないと、カウンセリングは毒になるらしい。

生きていくのに 必要なコトは教えた、と思う。 米も研げるし、目玉焼きもできる。 風呂も洗えるし、洗濯もできる。 これが野生動物だったら、「群れからの放逐」時期なんだろう。

思春期の葛藤は、自分の中のマグマの噴出だ。 だから誰でも同じく通過儀礼。 逃げるところがあったから、葛藤するのが怖くて逃げた。 そんな息子に腹を立てている。

食べる人がいなくなったのに、 好物の青じそが無農薬で大豊作。 天ぷら、いくらでも作ってやれたのに。

無くしてみて気づくのは、恋愛も家族も同じ。 長い間にお互いに「過ぎた甘え」から、 気がつくと、互いが疲れ切っている。 後戻りできないほど。

息子が家を出て行きました。 18才になったら、出そうと思っていましたが、 14才で勝手に居場所を見つけて、行きました。 母親は背中を見送ることしかできないのでしょうか?

静かに、うなずくだけの『挨拶』もある。 愛ではなく、恋は消え、友情ですらなかったとしても、 共に過ごした時間へのオマージュだとしても。

「命懸けで」というが、 いのちをかけていい仕事なんて、 世界中探しても、そうあるものじゃない。 いのちは重い。 そして、いのちは何とも換えられないからだ。