2014-01-01から1年間の記事一覧
あなたの優しさに慣れ過ぎて 少し甘えすぎたみたい。 謝りたいな。 すぐに。 それも甘えなんだけど。
約束していた音楽祭に髪を結んで現れたあなた。 髪を結んだ姿を人目にさらす訓練と。 訓練はかまわないんだけど 相手がわたしでよかったの?
明日はあなたに会うから 髪を染めておこうと思って。 でも染料の臭いがわかるのがいやで 必要のないシャンプーを3回もしてしまった。
五月が来た。 朔日は次男を産んだ日。 大切な人の誕生日もたくさんある。 太陽は潔い。 きっぱりと、夏の入り口を指すように 五月が来た。
珍しく風邪声なのが心配で お見舞いに花束の写真の葉書を送った。 やはり気になって 5分だけ電話しようと思った。 切ろうとすると 「いや、いいんだ。」って、なんども。 つい、長電話。
凄いコーヒーを飲んだ。 居心地よく調和された、美学のある空間で。 薫りも舌触りも喉ごしもあと味も 淹れた水の薫りさえ感じられる存在感。 コーヒーに手触りがあると知った。
遠回りになっても反対方向でも いつもそう。 改札まで送ってくれて 見えなくなるまで手を振るから ふと駆け戻りたくなるじゃないの。
コントラバスの形をした電話ボックスに 税金を使ったっていいと思う。 だってそれを見て、たくさんの人が愉快になるもの。 粋なお金の使い方。 - 高崎という町は音楽を愛しているのだそうな。 練習したホールのある公園の電話ボックスは なんとコントラバス…
小さな弟の体が心配で 18歳になったきみはわたしに頼む。 家で作ったものを食べさせてくれ。 たいへんだと思うけど、と。 わたしは黙ってそれを請け負う。 - コンビニで長期バイトしてる長男が (ロクに家にも帰ってこないくせに) とつぜん切り出した。 も…
声が聴きたい、 ただそれだけで 電話をしてもいいものかと やはりためらう。 あなたに尋ねたら きっと笑い出すと思うけど。
料理が好きなのは 美味しいものが食べたいから。 別にそこまでしなくてもいいんだけど カレーの玉葱は飴色になるまで。
明後日は地球儀の前で待っていて。 そんな待ち合わせ場所を 考え抜いた末にする ふしぎなひと。
きみはいつまでママが好きだろう? ママの姿が見えなくなると泣き出すのはいつまでだろう? 7才と、春の街を歩きながら。 - 歌舞伎座あたりからふらふらと プランタンの裏でお好み焼きを食べ、 私は山野楽器で譜面を買って、 次男は歩行者天国にはしゃぎ 警…
たとえば遠く離れていても 寄り添おうとする魂はわたくしのとなりにいる。 それを見つけた幸せもある。 たとえ近くても冷えた現実は見たくない。 - 友人を失くした私に いちばん身近な人は冷淡だった。 なんの関係もないあのひとは 気が済むまで話を聞いて泣…
2年生になったとたん 宿題が2倍になった。 でも持ち時間は2倍にならないから 次男のフラストレーションは 溜まりにたまって、今日も爆発。
独りで逝った友達に わたくしは涙で応えることしかできない。 そして想いは大きな怒りとともにある。 涙の制御は難しい。 - あんたが勝手に独りで逝ってたことを まだ受け入れてはいないけれど もう10日以上泣いたから やっと泣く時間を制御できるようになっ…
ふきのとうは春の味がする。 地面の霜が解けて 土がやわらかく陽を浴びるから。 これを油味噌で炒めて食べないと 毎年わたしの春は来ない。
「今、独り。誰か来ない?」 そう言われたらほっておけないよ。 「お前いい奴だな」って 25年前からそうだよ。 知らなかった? - 戦友だと思ってる男の子が 「今、銀座で独りで飲んでる。誰か来ない?」 汗だくになってあわてて駆けつけたら 何のことはない…
次男が2年生になって 慌てて持ち物の点検をする。 サヨナラした友達もいたけれど 新しい友達もやってきた。 さて、いよいよ始まるかけ算という難敵をどう攻略しようか。
先に逝った友達の遺した娘が中学生になる。 彼女の喜びそうな、少し大人っぽいバッグを贈った。 これまでも何度かプレゼントはしてきたけれど、 7年、経ったんだね。 初めてあの子が自分でお礼の電話をしてきた。
年度のはじめはとても忙しいらしい。 桜を一緒に観ることは難しいらしい。 そんなことくらいしか わたしはあなたについて知らない。
残されたものの方が 実はずっと深い傷を負うってこと おばあさんになってそっち側に行ったら そう、怒鳴ってやる! - あの馬鹿げた若い日々 わたしたちは いつも大笑いしてた。 いつも真剣に怒った。 いつも大胆なことをした。 いつも一緒にいて いつも一緒…
細切れの時間でよければ、 たとえば、明日。 あなたは真夜中の電話でそう言って とつぜん今日の午後の3時間をわたしにくれた。
その身勝手を許さない。 残った私たちの顔 一度も思い出さずに逝くなんて。 毎日泣きながら怒ってる。 - 最近判ったこと 仲の良かった奴が もう何年も前に独りで勝手に逝ってしまったって。 私だって自分がベランダから飛び降りかった日々を覚えてる。 だけ…
なにかおもしろいことをひとつでも すればよかったと気づいたのは 夜の23時すぎでした。
昔の仲間が集まって、飲んだ。 あんまり自然で当たり前のように楽しかったので 実は20年ぶりだったなんてこと あとから気がついて驚いた。 だって先週、あのボロ校舎で別れたような いまだってそんな気がしてる。
この前産んだと思って きのう入学したような気がしていたけれど もう、2年生になるんだね。 背が伸びたね。
あなたにサクラ色のはがきを書きました。 日付指定で出しますね。 桜がきれいに咲く日に着くように。
お昼に連絡事項だけで2分で電話を切ったくせに、 夜の電話では元気が無いから心配だったんだ。なんて もう、文句も言えないじゃないの。
野菜を切る フライパンに油をひく コンロに火をつける 野菜をドサッと放り込む。 そんなときにあなたの笑顔が見える。