流れる河を埋めた死体を思う。

60年経とうが、100年経とうが、
この広い河を埋め尽くした死体のことを考えずにいられるか。





焼夷弾が降って
そのあとは、
火事によって起きた熱風に
何万人殺されたのか。


私が今立っているこの地面もみな
炭なった人が並べられていたのだ。
赤ん坊も、老人も。


あの夜を生き抜いた、そして
近頃向こう側に行ってしまったあの方に
もっとちゃんと聞いておきたかった。