深呼吸する言葉・恋
義理のお返しものが来たって、 それは礼儀正しさの性格の現れだ。 桜色の美しい小箱を見つめながら、 それなりにキチンとしたお店で誂えたであろうそれを見つめながら、 何回目のサヨナラをつぶやけば救われるのだろう。
お返しは、来たよ。 義理への義理返し。 表面上の、みんなから知っている私たちは 去年の今日と1ミリもずれていない。 でもね、もう知ったから。 人の心は、 ココロは亡くても形は整えられることを。
必要なコト以外、一切話さない。 目も合わせない、存在を忘れようとする。 仕事は進みますけどね。 (私も大人になったものだ) こんなこといつまで?
あと少しであなたも家庭を持つ。 そのときに解るだろう。 私の決意の重さ。 私の恋の深さ。 その後の、どうしようもない執着も。 だから平気な顔をして過ごすのだ。 あと何日なんて数えない。 カレンダーは仕事と趣味と子供達の予定でぎっしりだから。
たくさんの人の祝われて、 あなたはあの子と夫婦になるんだね。 私も祝うよ。 まあ、とりあえず。 浮き世の義理ってやつ。 それにむしろ、 可愛い後輩の、 あの子の人生が心配だからね。
たとえ、ひとめでも。 たとえ、一言でも。 幸せを見いだせるのが恋。 片顔の微笑みであっても。 半永久に変わらない、けど本物の花。
少しずつ、あなたのことを考える時間が減っていく。 少しずつ、辛かったことの角が取れていく。 胸を刺す傷みが薄れ 日常という波に洗われていく。 終わり方はいつも同じ。 ただ、心に残る人と残らない人がいるだけだ。
もう一回、怒りに火が付きそう。 友人としてのチョコレート、 毎年の行事を何気なくこなし、 あなたの好きな店に家族を連れて行く。 (閉店しちゃうからね、残念だけど) それを明るくこなす私の、元気さについて。
どうしようか迷うなんて、 考えもしなかったよ。 渡すの?渡さないの? だって、 この手に入れにくいお菓子を注文したのは 二人の信頼が崩れるずっと前なんだから。 ま、 最悪、一人で一気食いだ! (翌日は炭水化物抜きでいこう)
仕事、流行り風邪、政治活動。 もしかしたら、雄と雌の営みも 営巣中は持ち込まない方がよいのかもしれない。 人間以外は、皆そうだもの。
私の目は、もうあなたを追わない。 あなたの望み通りすべては終わり、 宝石箱の蓋は私が閉じたのだ。 輝きは永遠に、あの海の底。 かわいげのない女。 (ああ。よく分かっている) でも心が追っている。探している。 残像にも似た、あなたの笑顔がどこかに落…
いちばん近い恒星は、シリウス。 星はたくさんあるけれど、見えるまでに何年もかかる。 シリウスだって、地球から光の速さで8年かかるんだね。 もしかしたら、今見ている光は、 この瞬間には存在しない可能性もあるんだよね。 「そんな風に考える人は初めて…
がんばってくれているのかもしれない。 すれ違うたびにそう願っている。 (たとえ顔を見たくないほど、憎かったとしても)だから微笑みの意味を知りたくはない。 あの頃とおなじ日溜まりのような微笑みは、 けして不愉快ではないけれど。 でもやはり、微笑み…
9年来の友人の願いなど聞かず探した新居。 さぞかし仕合わせな、二人の巣が見つかったことだろう。 小さな仕合わせな巣に、 ずっと閉じこもっていなさいよ。 私は、たった一人になっても、 この空を行く。 傷ついた羽を休める場所が見つからなくなって、 い…
夢だったらどんなに楽だろう。 あの日、あの夜の星の下の時間よりこちら側が。 傷つけず、傷つかず、少々揺れはあっても信頼は揺るがない、 そんな繋がりが続いていたはずだった。箱を開けたのはあなた。 箱を閉じたのは私。 閉じなければ、私が壊れてしまう…
家族と共にいれば、思い出さずに済む。 家族は私の揺りかご。 また明日から始まる、 覚悟の必要な時間。 どんな顔して、私を見る気? 世界を終わらせるような台詞を ただのメールで投げつけたくせに! いっそ終わらせるなら、方法はあったはずなんだ。 せめ…
この日が来ることを、私は知っていた。 どうしようもない人生の その1つの小さな傷。 眠れない夜が多すぎた。 友情に確信が持てなかった。 あなたは背中を向け続けていた。 だから自分から何もかも壊してしまった。 わたしに必要だったのはたった1つ。 微…
少し悔しい。 私が気になるほど、あなたは私を気にしない。 解っていたことで、 むしろ予定調和とも言える現象だけど。 嫌われているわけではないのなら、 それもまた愛しいと
怖くてたまらなかった。幸せは、やってきて、そして去っていく。最初から知っているから。 解っているから。 約束、だから。 時間がワタシの掌からこぼれ落ちていく。 何度も強く手を握りしめたのは ただ怖かったから。 止められないものを止められないかと…
早朝の即答を求めるメール。 呼吸を、忘れた。 決心をする日は 突然、前触れもなくやってくるものだろうか?それとも、本当は出ていた答えを 正面から抱きしめるきっかけに過ぎないのか。 窓を開けて、深呼吸を1つ。 他に選択肢はない。 OKの即答をした。
あの夜はあなたが追い掛け、 わたしはためらい、 でも覚悟を決めて応えた。私が追えば、 あなたは逃げる。引いて行く潮ならば、 またもどるのかしら?
言葉のあとの沈黙の優しさも、言葉にできなかった溜息も、体温も、寄せてきた波の形さえ覚えているのに。 此処には、あなたは居ない。 失われた昨日は永遠に戻らない。 それをもう冷静に見つめられる年になった。でも知っているから、哀しい。 知っているか…
人生には時折、不思議なことが起こる。偶然にみえたり、必然に見えたり、運命に見えたり。 若過ぎたり、遅すぎたり、どうにもならない立場だったり。 言い訳や慰めの方法も知っていて、経験という財産も持っている。 しかし、どんな言葉を連ねても答えは同じ…
『蘭亭序』王義之1700年前の完成型に、今も恋してる。 その最後の数行を読めば、 知っていたんですね。後にこの作品で泣く人々のことまで。 王羲之 『蘭亭序』