お昼に連絡事項だけで2分で電話を切ったくせに、 夜の電話では元気が無いから心配だったんだ。なんて もう、文句も言えないじゃないの。
野菜を切る フライパンに油をひく コンロに火をつける 野菜をドサッと放り込む。 そんなときにあなたの笑顔が見える。
仕方ないと思うか、挑戦しようと思うか、 舵を切るのは自分だ。
次男が持ち帰った通知表は意外に悪かった。 テストはいつも完璧に近いのに。 ま、成績なんていいよ。元気なら。
電話の途中思い出したように、 「また、機会があればぜひ」 いえ、今度はあなたから誘ってください。
今日は大幸運日だって、 どの占いにも出ていたの。 だから1分でも今日のうちに 電話したかったの。
小さな小さな白い花が雪のように積もる。 その上をそっとなでるように、 春が来る。
家族はリビングでそれぞれに。 もうレシピを見なくても体が覚えたから わたしは独りキッチンであの日あなたと飲んだmilk tea。
昨日出した手紙を今頃読んでいるはず。 そして暗号の解読は明日音楽で聴くでしょう。 「その手を離さないで」というわたしの声が あなたの心に届くまで電話してあげない。
カップに残るお茶の葉さえ愛しくて、 もういちどミルクティー淹れてみる 深夜。
ロケーションを考えてさ、と。 わたしはただ公園で お茶を飲んで笑い合えればいいだけなのに。
「じゃあ、明日ね」 たまたま髪を染めたのも 新しいシャンプーを使いだしたのも 真夜中の電話でこう言われる予感?
永遠に手に入らないと思っていたものが 実は隣にあると知った時 星は地に落ちる。永遠まで。
元同僚は今でも友達で、 とても大切なひとだけれど 乗るはずの人生って電車の時刻表を お互いに間違えたのだろう、と思う。
公園でお茶を飲もうと誘い 本気で予定を空けてくれる だから美味しいお茶にする ただいまみるくてぃを練習中。
次の予定は次の電話でね。 それはやくそくのためのやくそく また話そうね、と同じ意味 スケジュール帳があなたで埋まっていく
写経した。 読経した。 祈ってみた。 泣いてみた。 でも、どれもなんにもならなくて、 ちゃんと「現場」に行けるあなたに頼んでた。 わたしの心だけ一緒に連れてってください、と。 3.11、3年が経ちました。
東京に住んでみて、初めて解ったことがある。 それはビルの高さや人の多さや夜の明るさじゃなくって、 3.10に10万人以上が殺されたってこと。 この隅田川のほとりでは 火を避けて水に飛び込んだ人たちが焼けて死んだ。
電話をしたらあなたは疲れていて、 わたしは3分で電話を切った。 「あしたなら、大丈夫だよ」 どうしてそんなに優しいの。 24時間分の楽しみができてしまったじゃない。
かければきっとやさしく応えてくれるだろう でもかけないの。 朝、てがみを出したばかり。 ものごとには順序があって あなたがてがみをよんでから わたしの本音を知ってからかけましょう。 と、もう30回鏡の前で唱えている
この世で負った責任について。 母であること 嫁であること 妻であること それぞれ全うしたいと考えている。 でも死が2人を分つその時は わたしのこころは独りで飛びます。
それは責任のあること だから無責任にはなりません。 ただ、魂は自由に飛翔する かたちなど笑い飛ばして。
ちゃんと笑ってくれた。 私の目を見て、心配しなくていいよと。 嬉しくて、ただ嬉しくて、 あなたも知らないことだけど、 私独りが知っていれば世界はひかりに満ちている。
このままじゃいけない、と思った。 でもそれだけじゃない。 この次あなたに会うまでに ほんの少しでもきれいになりたいと思ったから。 こんなきっかけ、あなたは知らなくていい。でも、 きれいだと思われたらうれしい。
高校生のときから好きで 大学時代は死ぬほど研究した。 でも25年経って心だけの恋をして、 その熱が短歌という実弾になるとは思わなかった。
手紙を書いた。 眠れないまま、歌を詠み送った。 電話した。 全弾打ち尽くして、なすすべもなく あなたのこころが居ない荒れ野に立っている。
安心して寝なさい。 そう言われて安心できるほど わたしは単純じゃないのよ。
初めて見てしまった哀しい瞳 最後に微笑んでくれたけれど あの時のまま時間が止まって 今日も眠れない。
私はお願いをした、 ずいぶん気楽に騎士役を。 あなたは自分が傷ついても責務を全うし、 とても哀しい瞳をしていた。 約束を果たすためにあなたが払った犠牲の重さを 今、噛み締めている。
東京という不思議な街に住んでいると 雪が降るだけで嬉しくなる。 もう帰ること無いふるさとの雪を思い出して、 気分は高揚するただ白いだけの世界、 それは静謐な祈りの時間。